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ほや燻製
帰りの新幹線の車内で地酒を片手につまんだのがこれ。
ひとくち含めば独特のうまみが広がります。

 1日だけの小さな旅から、数日がかりの旅まで、日記風に描く旅行記です。
今回は2001年の10月に平泉・三陸沖・遠野をめぐった際の記録です。

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10月23日(火)
花巻(8:00)→平泉・毛越寺→一ノ関→大宮(13:06)

 8時、カロリーメイトブロックだけの簡単な食事を済ませて宿を出発します。雨は引き続き降っており、外に出るとかなり冷ややかな雨粒が降りかかってきます。
 朝の通勤通学ラッシュから一段落ついた花巻から、一ノ関行きの列車に乗り込みます。車内に入ると、小学生が2、30人ほど乗っています。どうやら遠足のようです。
 先ほどまで強く降っていた雨は、北上を過ぎた頃から小降りになり、水沢付近で陽が出てきました。空か少しずつ明るくなってきます。雨上がりの「もや」が水田風景をより情緒深いものにしてくれています。

雨上がりの平泉駅前  昨日のニュースに毛越寺の「こも巻き」が行われたことが流れていた、という話題を昨日の旅行日誌でお話しました。木の幹に藁を編んだ「こも」を巻いて、そこに虫を寄せ集めて冬眠させるそうです。そして、春になったら巻いた藁を木から外して成虫になる前に燃やすそうです。害虫駆除の方法として考え出されたものです。
 その姿を一度見てみたいと思い、再度平泉に途中下車。次の列車の間に毛越寺に行ってみることにします。先ほどの遠足の小学生も平泉で下車し、毛越寺へ向かって歩いています。私も小学生を追いかけるような形で歩いていきます。

毛越寺のこも巻き  毛越寺に到着。「こも巻き」なるものが境内の松の木に巻きつけてあります。昨日巻いたばかりなので、松の古木と巻きたての藁とのコントラストが絶妙です。まるで木々が「腹巻き」をしているような印象です。今朝の岩手日報に掲載されていた松の木を確かめて浄土庭園へ向かいます。

 雨上がりの浄土庭園は薄いもやがかかっており、軒並みな言葉ですが非常に幻想的な空気が漂っています。松の枝葉からときどき雨の残りしずくが庭園の池に落ちると、水面にきれいな円をつくり、そして消えていきます。そんな姿を眺めていると、やはり気分が落ち着いてくるものです。

雨上がりの浄土庭園1 雨のしずくが池に滴る 雨上がりの浄土庭園2

 さて、そろそろ列車の時間です。あとは自宅へ向けてひたすら東北本線を上っていくだけです。
私は帰りの列車を奮発し、新幹線のグリーン車に乗ってみることにしました。
 一ノ関駅に現れたMaxやまびこ40号は8両編成の2階建て新幹線。2階グリーン車に乗り込むとさっそく荷物を荷棚に上げ、リクライニングシートをフルに倒し、レッグレストの角度を調整します。じつにゆったりとした座り心地です。車内サービスのおしぼりをもらい、紙パック入りのウーロン茶を飲むと、あとは睡眠モードです。座席の枕が可動するので適当に調整して、2階建てで見晴らしがいいというのに、ひたすら目を閉じて眠ります。

からりと晴れた大宮駅前  昼過ぎの13時6分、定刻どおりに大宮に到着。ホームに降り立つと何か暑い。さきほどの新幹線の車内は冷房が効きすぎて寒いくらいだったのですが…。
 フェーン現象で急に気温が上がったらしく、温度計を見ると27度と真夏並みの気温。けれども空は秋らしく青々と晴れ上がっていて爽快です。

古き時代の食堂の面影を見せる多万里  旅の締めは行きつけのラーメン屋「多万里」で昼食。レトロチックな食券売り場で食券を買い求めると、小判型のプラスティック食券が渡されます。いつものごとくワンタンメンを注文。
 思えば、はじめてこの店に入ったのは私が5歳の時でした。この店に入って食べたラーメンが、私にとってのラーメンの「原点」でした。私のラーメンに対する味覚の全ての原点です。
 さっぱりした醤油味、極細の麺、つるりと喉を流れるワンタン、そして麺の上に乗るグリンピース…この味は20数年以来変わっていません。

 スープを飲み干し、心地よい汗をかきながら店を出ます。これで3泊4日の旅は終わりです。大宮駅に戻るといつもの喧騒を身体に降りかかってきました。

 こうして4日間の旅を終えたわけですが、日々仕事に明け暮れていた中で、久しぶりにゆっくりとした、自分の時間というものを取り戻すことができたような気がします。いつも緊張感に満ちていた気分も少しは落ち着きを持つことができました。
 またこのような旅をしてみたいと思います。


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