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別冊看板 第5集
遠野カリンちゃんコレクション
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民話のふるさととして名高い岩手県遠野市にはちょっとかわいげなキャラクターがある。

 その名前はカリンちゃん。カッパの「カ」と遠野市の市花、リンドウの「リン」を合成させたものだ。

 もともとこのキャラクターは1992年の「世界民話博」開催をきっかけに観光PR目的に創られたものだが、市のマスコットマークとして行政施設の随所にこれを見ることができる。

 今回は、このカリンちゃんにまつわる看板を観察してみた。

タイトル

▼遠野駅ホームにて / 材質:プラスチック

遠野駅ホームにて

 釜石線のディーゼルカーから降り立った私の目の前に、このプレートはあった。ドアの位置を示す乗車口案内板に市のマスコットマークが印刷されているのだが、町のイメージキャラクターをこうした場面で使用するのは珍しい。
 が、さりげなく使っているところに好感が持てる。

落石注意  早池峰(はやちね)山に至る県道をレンタカーで走っていたところで見かけたのがこれ。
 交通標識でいうところの「落石注意」とは、「石が崖の上から落ちてくるから気をつけろ」なのか、「落ちた石が道路にあるから気をつけろ」なのかで解釈が分かれるところ。
 あまりのかわいさに落石の恐怖を忘れさせてくれるのも束の間、写真を撮っている間に崖の上から「カサカサカサ…」と砂が降下してきたので慌てて撤収。

遠野市上附馬牛(つきもうし)町にて / 材質:鉄板塗装


▼遠野市土淵町山崎にて / 材質:プラスチック

ごみを捨てないで

 男性のシンボルに似た石を御神体にしている「山崎の金勢さま」近くに流れる川沿いで発見したのがこれ。明らかに遠野市が立てた標識、看板なはずだが、「岩手県」とある。河川の管理は国と県で行っているためにそう名乗っている。

 本来のカリンちゃんはリンドウを持っているが、このパターンは「幟端ヴァージョン」の珍しい形。

▼遠野市大工町下早瀬橋にて / 材質:スチール表面焼付

カリンちゃん&ミーくん

 こちらは猿ヶ石川堤防のサイクリングコース付近で見かけたもの。カリンちゃんと宮守村のマスコットキャラクター「ミーくん」が仲良く自転車に乗っている標識である。

 2007年に遠野市と宮守村が合併し、新・遠野市が誕生したが、両市村にはそれぞれのマスコットキャラクターが用意され、合併の際にこれらのキャラクターをどう扱うかについて一部議論があったそうだ。
 結局、キャラクター部分はカリンちゃんを引き続き使用することになったが、キャラクターの背景に描かれているリンドウは旧宮守村の花であるヤマユリに、南部曲がり家が釜石線の眼鏡橋に変更された。カリンちゃんの名前の由来は…という心配は余計かもしれない。

 近頃は以下の映像のような着ぐるみも作られ、市内のイベントに限らず、県外のイベントにも姿を見せている。映像は2009年6月、大宮駅(埼玉県さいたま市)のイベントで目撃されたカリンちゃんの姿を記録したものである。

*    *

 川沿いにある標識は結構恐いものが多くて、「おちるときけん」などと書かれているものは大抵、カッパが子供を川底に引きずり込むなどの悪役をつとめる。しかしカリンちゃんは市内随所に配置され、カッパを恐いイメージではなく、ユーモラスな存在として位置づけているようにも思える。

取材:1998.3.25〜28、2008.6.12、2009.6.28

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