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 淘汰と再生の11月
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 タリバン勢力の撤退によるアフガンの新政権の動き、新潟鉄工の倒産など11月は「淘汰と再生」が目立つ月でした。

 そんな中で、斬新さが売り物だったタブロイド紙の休刊、そして夕刊廃止。新聞の世界では新たな付加価値を模索する動きが出ています。

 そして、10月の完全失業率が5.4%になってしまい、雇用情勢が一向に良くならない一方で、フリーターに対して安定した職場を提供する動きも少しながら出てまいりました。

 今回はこうした部分での「淘汰と再生」を取り上げてみることにしました。

11月24日 フリーターばかりが責められるのか?

 11月23日は勤労感謝の日。テレビニュースでもほんのわずかながら祝日に関する話題が流れていました。

 その話題のひとつがこれ。フリーアルバイター(フリーター)に関する世論調査です。日本労働研究機構の調べによると、フリーターになった理由として、
 ・自分に合う仕事を見つけるため
 ・自由な働き方をしたい
 ・生活のため
と回答したものの、アルバイトを通じて自分に合う仕事を見つけられた人はわずか13%だったとのことです。

 ところが、ニュースの続きを見ていると、この調査に関して労働研究機構が、
「若者にはしっかりと将来の仕事について考えてほしい」
と講評している点に私は唖然としました。

 「雇用のミスマッチング」といわれて久しいです。雇用側の提示する仕事内容と待遇が労働者側に受け入れられないことが多々あります。この実情は職業安定所の求人票や求人サイトの条件を見ればよく分かります。この不況下、いい人材を適切な報酬で集める企業もありますが、中には安い賃金や悪条件で働かせたり、労働法規を守らないで働かせている(ようとする)企業が多々あります。正社員の求人でもこんなありさまです。

 さらにアルバイトや派遣になると事態はさらに深刻です。いつ辞めさせられても文句が言えない不安定な雇用条件で働いている人たちは、正社員があまりやりたくない仕事を任せられたり、非常に安い賃金で雇用されていることがほとんどです。

 それでも自らの希望をできるだけ叶えるために頑張っているわけです。希望を叶えるために必要な費用を稼ぐため、日々の生活を続けるために働いているのです。「好きなときに働いてあとは遊ぶんだ」といったバブル期のフリーターと現在のフリーターでは考え方が大きく異なっていることに気づいてほしいのです。

 「自分に合う仕事」を求めてアルバイトをしている労働者側と「できるだけ安く働かせたい」とアルバイトを雇う雇用者側。まったくかみ合っていません。そこで「将来の仕事について考えろ」と言って、働く側だけを責めても現状は何も変わらないのではないでしょうか。

 不景気であっても、どんな時代であれ、若い人が「やりたいこと」を探すために行動するのは至極普通です。ならば、「将来の仕事について考える」ことのできる機会と場所を国ぐるみで作れ、と言いたいわけです。景気が良ければ自分自身で考える余裕は生まれます。不景気だからこそ、そういった機会や場所が必要なのではないでしょうか。

 ようやく東京渋谷に「ヤングハローワーク」(いまどき「ヤング」はないと思うが…)という若い人向けの職業相談スペースができますが、もっとこうしたスペースを増やす必要があるのではないでしょうか。

 しかし、失業率が5.5%になろうとしているのに、マスコミに流れる雇用・労働問題の話題のあまりの少なさは一体何なのでしょうか。あえて話題を避けているのでしょうか。「勤労感謝」なんて名ばかりだと思ったりもします。

参考サイト

→NHKニュース
http://www.nhk.or.jp/news/2001/11/23/grri840000008deh.html


11月07日 週刊タブロイドと夕刊廃止に思う新聞の「変革」

 20代をターゲットにした週刊タブロイド紙「7-Seven(セブン)」が11月6日発行分で発刊を休止しました。

 発行元は朝日新聞で1部100円。Webサイトとクロスさせた展開で、ジャンルごとにイメージカラーを設定したり、コラム中心に構成したりと、紙面デザインが好きで毎週買っていたのですが、次第に「これだったら何も紙に印刷しなくても、Webマガジンで十分だったのでは」と思えるようになりました。
 要は、毎週の出来事を知りたければそれに代わるメディアはたくさんあるわけですし、相当オリジナリティを発揮しない限り、新規参入するのは難しいのが現状です。

 夕刊タブロイドとも週刊誌とも違う。かといってWebマガジンとも違う、どちらともつかずの構成が早い店じまいに結びついてしまったのではないかと思います。都市部の20代向けといっても、一番価値観や思考が異なる世代にマッチしたコンセプトなりテーマを探すことがいかに難しいか、しかし一定の方向に偏った報道をしている部分は相変わらず…ひとつのタブロイド紙の休刊から読み取れるものはかなり多いはずです。

 10年ほど前、「夕刊アスカ」という日刊タブロイド紙が早々に休刊したことをふと思い出しました。

 ところで、夕刊といえば、産経新聞の東京版夕刊が2002年の4月から休刊になり、朝刊専門紙になるとのニュースが注目です。

 「夕刊離れ」といわれて数年、さらには「新聞離れ」と言われた十数年前から「夕刊廃止論」が出ては消えていたような記憶がありますが、ハッキリと「夕刊は出さない」と言ったのは今回が初めてではないかと思います。

 産経新聞といえば、他の新聞にはない論調で世間から「右寄りだ」と言われて久しいですが、その一方で他の新聞にはないオピニオンを掲載する、掲載できるという点でオリジナリティを出しているのではないかと思うわけです。
 インターネットでニュース速報を拾え、個人がWebサイトを立ち上げて情報を出せる時代には、やはり「オリジナリティ」を追求していくのは必然です。そのためには何かを削ったのだろうと思います。

 きっと、今後「産経新聞」は「日刊総合オピニオン紙」にする方向でいるのではないかと思うわけです。新聞の特性は、長い文章をじっくりと読めることとビジュアル的な一覧性です。広帯域インターネットが普及し、一覧性がネットでも実現する今、この「じっくりと読める新聞」へシフトし、生き残りを図っていっていこうとしているのでは…と私は推測しています。

 どちらともつかずで休刊した週刊タブロイド紙と敢えて夕刊を廃止してオピニオン紙へシフトする新聞…新聞の世界も「変革」が続いています。

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